17 April 2017

04/17 Jacob Riis




ギャング オブ ニューヨークの原作の表紙にも使われているこの写真は1888年にニューヨークのめちゃ治安悪いところで撮られたもので、写ってる奴らもギャングなのです

題名が"Bandit's Roost"、日本語の題名が「強盗たちの根城」ですからソウトウなもんです


その写真を撮った写真家で、ジャーナリスト、社会改革家のJacob Riis(ジェイコブ リース)は1849年デンマーク生まれで21歳のときに大工を志し移民としてアメリカにやってきました

アメリカに来た後は、大工としての仕事などを経て貧しい暮らしも体験したようで
その後、ジェイコブはニューヨーク トリビューン紙の記者となるのですが、それまでに経験した貧しさや貧困者の生活ぶりにだいぶ影響を受けていたようです


そんなジェイコブが1890年に発表した写真集が"How the Other Half Lives"です
「もう半分はどう生きているのか」という題名で、富裕層に対しての貧民層に焦点を当てていて、今では考えられないニューヨークのスラム街の貧しさ、住居問題、浮浪者(子供もたくさん)に多くの人が衝撃を受けたそうです

ちょうどストロボが発明された頃だったこともあり、薄暗いスラム街が撮影できるようになったことも写真を撮るのに都合がよかったんでしょう

そんなジェイコブ、写真をスライドにして地域の集会などいろんな所に持ってって人々にこの状況を知ってもらおうと奔走します、さっきの写真集の題名もそうですが、貧しい人がこんなにいる、という事実が割と隠されていたんだと思います。

ジェイコブ達の社会改革運動が大統領まで届き、大会社にお金が集まりすぎるのをなんとかしよう!という改革が始まったようです、そして大金持ちは世間に非難されまくり交わすために慈善事業をしたのです

今じゃ、ニューヨークにはジェイコブリース公園があったりジェイコブリース住宅があったり、彼の功績はニューヨークの歴史の一部となったんですね



instagram
webshopもやっています
そちらも気が向きまくったら見てみてください

16 April 2017

4/16 Karl Blossfeldt



1865年生まれのドイツの写真家で彫刻家、植物学者でもあるKarl Blossfeldt (カール ブロスフェルト)

1865年というと日本ではまだ江戸時代、坂本龍馬が亀山社中を組織した年です

そのカールですがベルリン工芸美術学校で彫刻を学んだ後、1924年にベルリンにある"United State School for Fine and Applied Art(和訳がわかりません、、ベルリン王立芸術大学とか?)"の教授となりました、彫刻の先生です

カールは写真家として最も有名で写真家としての彼の紹介をしたいのですが
元々はプロのカメラマン、ってわけじゃありません!

学生に「自然が作ったデザインだぞ!」と、自分が撮った植物の写真を使って教えていたのです、趣味が高じて自分で30倍の拡大撮影ができる写真機を作り35年間ずっと植物の「ある部分」(芽とかツボミ、葉っぱとか)を撮り続けました

1928年に出版された写真集「芸術の原型」というのが相当、当時の人々にインパクトを与えたようです

バウハウスでもすごく評価されたいたようでパウル クレー(バウハウスで先生やっていた)の奥さんが誕生日プレゼントでカールの写真集をプレゼントしたらしい、、
バウハウスは1920年代とかにあった美術と建築の学校です!


「植物は決して単なる無味乾燥な機能主義に堕落しない その形は論理的であり、また最適である 植物の原初的な力は,、全てのものを最も高い芸術的な形状を取るように仕向ける」というのがカールの言葉ですが、

自然にできた植物のハズなのに、その形が理にかなっていてカッコいいよね?機能的にも最適でなるべくしてなっているデザインなんだ、そうだ、これはデザインなんだ!

みたいな、感じですかね?ちょっとうまく言えないですが、、



現在では新即物主義を代表する写真家と言われていますカール、フランスのシュルレアリスムのアーティストにも多大な影響を与えたようです
そんなカールの1990年代デッドストックのクジャクシダTシャツです

シンプルな植物のTシャツというのもあんまり見かけない気がします
シダをTシャツにするところにもプリントと相まってシュルレアリスム的な感じがあります、ね


instagramwebshopもやっています
そちらも気が向きまくったら見てみてください

15 April 2017

4/15 Barbara Kruger



1945年生まれのアーティスト、Barbara Kruger(バーバラ クルーガー)

バーバラは、
名門シラキュース大学→1年で中退
名門パーソンズ(デザインとアートで超有名)→1年で中退
出版社に就職→1年でデザイン部長
という経歴で
25歳くらいではアーティストとして独立しております

このかたの作品は画像と文字の2つの要素のコラージュ作品が多く
現代社会における人間のありかた、大量消費や資本主義、フェミニズム、権力など色々な現代の問題に皮肉を込めたわかりやすくも手厳しい表現をしていらっしゃいます


近代哲学の祖デカルトの有名な命題 "I think, therefore I am.(我思う、ゆえに我あり)" をもじって "I shop, therefore I am (我買う、ゆえに我あり)" としています
しかも、クレジットカードを持つその手にその言葉が、、

1980年代に米レーガン大統領がとったReaganomicsと呼ばれる経済政策への批判をしつつ、資本主義そのものをディスっている感もあります。クレジットカードの蔓延とか、、

Money Can Buy You Loveとか

性別は関係ないだろう、とか
メッセージ性の強い作品がほぼ全てです、また痛いとこを突いていたりします




コチラの商品は1980年代に発表された10名?11名?のアーティストによるエイズ撲滅のための"THE INDOMITABLE SPIRIT: PHOTOGRAPHERS + FRIENDS UNITED AGAINST AIDS'(訳すと「不屈の精神: エイズと闘うフォトグラファーと仲間達」)でのバーバラの作品を元に、1990年代にオフィシャルで作られた1993年コピーライトのTシャツです
ちなみに、このプロジェクトでは、ブルース ウェバーや、ジョン バルデッサリ、ウィリアム ウェグマンなども作品を発表しています

バーバラ クルーガーというとシュプリームのボックスロゴの元ネタとしてもおなじみです、その辺の話もとても面白いので誰かに今度お話ししたいものです